イーベックの歩み
抗体は生体防御の要であり、生命が進化の過程で発達させてきたものです。
抗体は感染症、癌などに対する分子標的治療薬として極めて有望で、Bリンパ腫、乳癌、リウマチなどに対する抗体はすでに医薬品として実用化に至っています。現在開発中の医薬品の実に25%が抗体であることもその有用性を示しており、2013年の抗体市場は500億ドルに達するものと予想されます。
現在までに、<マウス抗体>の作製技術は既に確立されていますが、ヒトへの使用においては異種蛋白質としての強い抗原性が問題となり、これに変わる<ヒト型抗体>の作製技術が開発されています。しかし、<ヒト型抗体>の開発には欧米で特許化されたさまざまな技術に対して多額のロイヤリティーを支払わなければならず、また、現在の技術では生産そのもののコストも非常に高いなどの問題が山積みしています。
こうした抗体開発をめぐる困難をうち破り、安価で安全な純国産技術による<ヒト抗体>の開発と製造を目指して、「株式会社イーベック」を設立しました。
2003.1.10 | 株式会社イーベック設立 |
2003.4 | 平成15-16年度経済産業省:地域新生コンソーシアム研究開発事業 「医薬素材としての完全ヒト抗体の作製と大量生産システムの確立」採択 |
2004.6 | 2種類のヒト抗体開発に成功(GM-CSF、CMV)、日経産業新聞1面トップに掲載 |
2005.1 | 平成16年度NEDO産業技術実用化開発助成事業 「任意の標的分子に対する完全ヒト抗体作製システムの開発」採択 |
2005.6 | BIO2005(フィラデルフィア)出展 |
2005.12 | 抗体医薬カンファレンス(サンディエゴ)出展 |
2008.9.30 | ベーリンガーインゲルハイム社(本社:ドイツ/インゲルハイム)と完全ヒト抗体の開発・製品化についてライセンス契約を締結 |
2008.10 | Bio Japan2008 緊急講演「ビッグファーマへの技術導入成功の鍵」 |
2009.4 | 札幌ラボを現在の場所に移転、拡充 |
2009.6 | 科学技術政策担当大臣賞受賞 「EBウイルスを用いたヒトリンパ球由来抗体の大量作製技術」の開発 |
2009.8.14 | 平成21年度NEDO イノベーション実用化開発費助成金研究開発型ベンチャー技術開発助成事業 「ヒト抗体作製の効率化技術の開発」採択 |
2009.10 | Bio Japan2009出展(パシフィコ横浜) |
2011.9.5 | アステラス製薬株式会社と感染症治療用完全ヒト抗体の一つについてライセンス契約を締結 |